Building LaTeX on Leopard


Mac OS X 10.5でのLaTeXのビルドは多少癖があるものでした。今回のエントリではまず、teTeXのビルドに関して記載します。


私は限られた用途でのみTeX関連のツールを使用しています。具体的には、数式およびGnuplotによるグラフをPNG形式のビットマップとして出力出来れば事足りるのです。そのため、例えば、日本語フォント等は全く加味していません。日本語で論文等を記述することを目的とされる方には物足りないエントリとなりますが、Mac OS X 10.5においてTeXの環境を構築する際の一助になればよいかと思います。また、Mac OS Xならではの日本語TeX環境構築に関しては、こちらの大変良質なページを参照されることをお勧めします。


まず、teTeXのtarボールを入手します。teTeXのポータルページはこちらですが、パッケージの入手はCTANのミラーサイトから行うのが望ましいでしょう。CTANのミラーサイト一覧はteTeXのポータルページのダウンロード節からリンクが貼られている、こちらのFTPサイトから参照することが出来ます。この何れかのサイトから、以下の3つのtarボールを入手します*1

  • tetex-src-3.0.tar.gz
  • tetex-texmf-3.0.tar.gz
  • tetex-texmfsrc-3.0.tar.gz


インストール先のディレクトリを作成し、関連するファイル群を展開します。このエントリでは、インストール先のディレクトリを/usr/local/teTeXとしています。

> sudo mkdir -p /usr/local/teTeX/share/texmf /usr/local/teTeX/share/texmf-dist
> sudo su root -c 'umask 0; tar zxvf tetex-texmf-3.0.tar.gz -C /usr/local/teTeX/share/texmf-dist'
> sudo su root -c 'umask 0; tar zxvf tetex-texmfsrc-3.0.tar.gz -C /usr/local/teTeX/share/texmf-dist'


次にteTeXをビルドします。

> tar zxvf tetex-src-3.0.tar.gz
> cd tetex-src-3.0
> CFLAGS=-ansi ./configure --disable-multiplatform
> ./configure --disable-multiplatform
> make
> sudo make install


Mac OS 10.5ならではの注意点として、上述の例にあるように、異なる環境を与えたconfigureを2回実行することが挙げられます(純然にconfigureした場合は、makeの段階でエラー終了します)。この問題に関しては以下の大変秀逸な日記を参考にさせていただきました。teTeX自身が独自の標準関数を実装しており、Mac OS X 10.5ではそれらがOSの標準関数と衝突してしまうのが問題となるようです。

texもかなりはまり。最初の問題はconfigureのcache機構を利用して
CFLAGS=-ansi ./configure <オプション>
./configure <オプション>
とすることにより、独自の標準関数の再実装を回避しつつ、インラインasmも利用可能にすることで解決。

Leopard | Deasukeの日記 | スラド


以上で、teTeXのビルドおよびインストールは完了です。

まとめ

  • Mac OS X 10.5にてteTeXをビルドする際の問題については、異なる環境を与えたconfigureを2回実行することで回避出来る


私の主なTeXの使用目的の一つに、Emacs Museによる数式を伴ったWiki作成が挙げられます。本エントリに記載した段階で、数式をPNG形式で出力する目的は達成しました。

次のエントリでは、Ghostscriptのビルドについて記載する予定です。

*1:ミラーされているCTANディレクトリからの相対パスは、systems/unix/teTeX/current/distribとなります